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写真=池田花梨 協力=伊藤夏恵

ー じ‐ばん〔ヂ‐〕【地盤】とは ―

エリア51でのルール。
このルールは、メンバーを拘束するためのものではなく、かえって、メンバーの誰かが強い権限を持たないようにするためのものです。また、いつでもこのルールに立ち返ることで、話し合いの基準にしたり、企画を練る上でヒントにするためのものです。

第1層と第2層からなり、さらに細かい実務的な条文は未公開ですが制定されています。

第2層 ハラスメント・ポリシー

2022.7.1

 

1. 姿勢

権力を悪用した暴力や搾取に対し、決然とした姿勢で対抗する。

立場上の弱者の尊厳を奪わないような持続可能なシステムを、ミクロとマクロの両視点から検討・実践し続ける。

誰一人取り残さないための方法を、ゴールが見えなくとも模索し続ける。

エリア51では創作の方法や内容に関して強いルールを持たないため、実面的な創作における方向性、コミュニケーションとその方法に関しては各ディレクターが【クリエイティブ・ポリシー】として公表することが望ましい。その上で、参加者はクリエイティブ・ポリシーにおおむね同意したものとして企画組織が編成されることが望ましい。

以下のルールの改善について、いつでも議論の余地があるものとする。

 

2. ミクロ(個人の心得)

メンバーや共同制作者の発想や発言、容姿や生立ちを真っ向から否定しない。

プライバシーやパーソナリティに関わる情報を本人の許可なく開示・共有しない。

私たちとメンバー外の共同制作者との間には、当事者間の意思に関わらず、構造的な権力関係が発生してしまう可能性があることを理解しておく。

ディレクションを与える人も受ける人も、相互で「対等に創作に向き合える方法」を模索する。

トラブルを一人で抱え込まない。また、相談しやすい環境づくりを心がける。

故意の暴力や搾取を「事件」、不慮の暴力や搾取を「事故」と定義する。

事件であれ事故であれ、当事者が被害を被ったとき、告発を受けた当該の加害者は被告発者として必ず「調停」に協力する。

 

3. マクロ(組織のシステム)

企画を実行する初期段階、実際の運営が始まる前に、当該組織の中における最適なシステムを、参加メンバーを中心に、共同制作者とともに考えて構築する。

企画段階で、第三者的な視点で常に創作環境を見られる、創作の内容や品質の担保に関与しないコーディネーターを設置することが望ましい。予算に都合がつかない場合はその役割を兼任できる担当者を設定する。

参加者のプライバシーやパーソナリティに関わる個人情報に「ケアを要する」ことが想定される記載があった場合、コディネーターを中心として本人とクローズドな打ち合わせをし、公開不可能な情報やその際の注意点、ケアの方法について一緒に考える。

参加者が匿名で意見(作品の内容・運営方法などに関する意見)を投稿できるフォームをweb上に用意する。閲覧したコーディネーターは必要に応じて創作の方法や内容に言及できる。

 

4. 事件・事故発生時の対処

権力関係の悪用による事件や事故が起きた場合、必ず創作を中断し、関係者全員の調整がつくまで再開しない。作品の公開が危ぶまれたとしても調停を最優先する。

二次被害を防ぐため、当事者の許可なく詳細を当事者外に公開しない。

コーディネーターは、被害者の意向を第一に、調停を試みるべきか相談する。調停を望まない場合、必要に応じて警察への通報をサポートする。

調停を望む場合、加害者と一対一にならないような話し合いなど、必要な場をコーディネーターが設ける。被害者のケアラーを、創作現場外の人に求め、設定することが望ましい。

調停を終えたら、今後の創作への参加の有無について本人とコーディネーターが話し合い、方向性を決める。参加を続行する場合は、のちにディレクターを含めて話し合い、具体的な参加方法を検討する。

調停の内容やあらましについて、第三者に開示可能な情報についてコーディネーターがまとめ、当事者に確認する。許可を受けて初めて、現場内の参加者に報告する。

外部への報告の有無について、当事者を交えてコーディネーターが検討し、一緒に公開する。

被害者や加害者の参加続行が決まった場合は、コーディネーターはスムーズな復帰の方法を検討し、サポートする。参加続行しない場合、降板の発表やその詳細について本人と話し合って決め、制作部を通して外部に公開する。その後、外部からの問合せについて、可能な限りコーディネータが対応できることが望ましい。

第1層

2020.7.23

 

1.原則
これらのルールはメンバーが増えるたびに話し合い、決める。
これらのルールについて、いつでも議論の余地があるものとする。

 

2.メンバー
メンバーは、表現者やそれに準ずる人、それを志す人であること。及び、ひとりでなく人となにかを作りたい人で構成されること。
メンバーは、メンバー同士を心身共に拘束/強制しない。
エリア51にリーダーはいない。団体の代表/責任者としては神保が務めるが、基本的に企画ごとに責任者を立てる。
企画ごとに組織を編成する。
平時ではメンバー同士に主従や力関係を要求しない。
企画時に編成した組織にメンバーがいたとしても、メンバーらしい振る舞いやスタンスを強制しない。しかし、メンバーならではの視点での意見、積極参加は奨励される。

 

3.志向
多くの人と出会い、相互作用しながら大きく(拡大・成長)なっていくことを目指す。
創作をすることにおいて気軽に仲間の手を借りられる「環境」づくりを目指す。

 

4.企画
メンバーは誰でも企画を発案できる。
企画を発案する場合は一度メンバーに共有し相談する。
企画内容は、「社会に働きかけるものづくり」、または「社会で生きながらするものづくり」から大きく逸脱しないこと。
企画する際の企画意図には、「社会問題の芸術分野での解決策」を盛り込む、または社会や環境を視野に入れ、そこから大きく逸脱しないこと。

メンバー
門田宗大
神保治暉
鈴木美結
濵田真実
廣戸彰彦
山田美奈子
nErd”
中野志保

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